TVより、TVボードに目が行ってしまう?
ちょっと困ってしまうほど魅力的な、栗の木のTVボードをご紹介いたします。
栗の木の総無垢でおつくりしています。
一般的には天板や引き出しの前板は無垢材を使用して、
側板(両側面の板)や内部の縦横の仕切り板は
突板(合板等の芯材に突板を貼って仕上げた材料)を使用することが多いです。
側板等に突板を使用することで、コストダウンにもなりますし、
空気の乾燥や強い日差し等で木が反ったり割れたりするリスクが軽減できるメリットもあります。
突板そのものは、無垢材をうすーくスライス(この表現がぴったり)したものですので、
本物の木からできています。
人工的につくったものをプリントするなどして作った材料ではないので、ある意味天然木。
木目のきれいな板からつくった突板は、とても美しい材料になりますし、
婚礼ダンスや建具等の扉や引き出し等は、意匠性を考慮し、美しい木目の突板を使用するなどもしています。
ちなみに頑固おやじがご案内しているTV台や食器棚等の家具も、
天板や引き出し&扉等は無垢材ですが側板等は突板仕様のものが多く
総無垢でおつくりしているものは一部。貴重です。
そして、総無垢でおつくりした貴重な一品がこちらのTV台。
このTV台すごいんです!
天板は板の自然な形をそのまま生かした「耳付き」です。
前側のぐにゃぐにゃした部分、ここは板の端っこの形をそのまま生かしておつくりしています。
(その部分を我々は「耳」と読んでいます。)
ここはまさに自然が生み出す造形美。人工的につくられた「人口耳」とはどこか違います。
また、はっきりとしたチャーミングな木目は栗の木ならでは。
あたたかい、力強い、優しい、味わ深い・・・どの言葉も当てはまり、まさに、唯一無二なのです。
引戸と引き出しで構成されたちょうど良い収納。
両側に2段の引き出し付き。真ん中は2分割の扉が左右に開く両開きの引き戸の収納です。
【引き出しを開けたところ】
【真ん中の引戸を開けたところ】
扉は両側に開きます。
中には棚板が1枚(可動式)入っています。
一つだけ注意してほしいこと、それは引き出しをしっかり閉めてから引戸を開けること。
少しでも引き出しが開いている状態だと、お互いがぶつかってしまって引き戸が開きません。
扉は趣のある細い格子風のデザインです。
中に収納したものが見えにくくなるというメリットもありつつ
堅格子風の扉がこのTV台をノスタルジックな雰囲気に。
【全部開けたところ】
【片側に開けたところ】
背中も美しく仕上げています。
背板は無垢材を羽目板風に組み合わせて仕上げています。
真ん中の下側に、配線用のを穴あけてあります。
扉のデザインは2種類からお選びいただけます。
【堅格子アレンジタイプ】
【マス格子アレンジタイプ】
どちらの扉も扉を占めた状態でのリモコン操作が可能です。
ご注文の際、備考欄にどちらのデザインがご希望かをご記入ください。
「酢酸鉄黒染め」仕上げもお選びいただけます。
酢酸鉄色は、金属媒染の技術をを木材の染色に活かした方法です。
簡単に説明すると、お酢によって鉄が溶け出して、鉄イオンになり、木に含まれたタンニンと呼ばれる成分と結合することによって発色するという原理です。
黒く錆びたような仕上がりが素敵だと思います。
職人さんからもお話を聞いてみました。ぜひ読んでみてください。
■鉄染めについて■
鉄染めのメリットは、まず第一に安全です。
自然素材なので口に入れても問題ありません。
古くはお歯黒、現在ではまな板などにも使われる程、安心安全な塗装です。
次に塗装といっても色を乗せるのでなく、木材を染めている事。
木材そのものを化学変化によって色を変えているので、色落ち色移りなどの心配が無いです。
続きになりますが、塗膜を張っていないので表面が画一的にならず木目が活きます。
ノーマルのオイル塗装のように飴色に変化することはないですが、経年変化でアンティークの変わっていくので、それも個性として楽しめます。
変わってデメリットですが、オイル塗装同様、水や直射日光が苦手です。
ただし、表面のオイルの塗膜が落ちても、木材を染めているので、色が落ちるという事は無いです。
(黒色なので汚れは目立ちませんが埃は目立ちます。)
※酢酸鉄(鉄染め)仕上がりをご希望の場合は、カート決済時に備考欄に「鉄染め希望」とご記入ください。
【栗の木の特徴について、ご購入前に必ずお読みください。】
このテーブルに使用している栗の木は、国内(主に東北地方)ですくすくと育った、日本の栗の木です。
とても貴重な材料なので、大切に使っています。
天然木の特徴として、使用する材料によって、木目や色味がひとつひとつ違ってきます。
中には、節がたくさん混じっていたり、少し色味が黄色くなっているところがあったりと
様々です。
節のある所や黄色くなっているところは取り除いて捨ててしまう・・・という方法もありますが
大切な材料なので、そんなことはできません・・・。
節のある場所や、色味の違う場所も、捨てることなく大切に使用しています。
もちろん節は段差になったり、けばだったりして、手や洋服にひっかかってしまわないように
研磨して滑らかに仕上げています。安心してお使いいただくことができるよう、しっかりと工夫しています。
節や色味の違いなどは木の人生の「あかし」のようなもの。
誠に勝手なお願いではありますが、どうぞその木の唯一無二の個性として、
愛してほしいと思います。
以下の写真は節や色味の違い等の一例です。
どうぞご参考になさってください。
そしてこの愛すべき栗の木の家具をみなさんどうぞよろしくお願いいたします。
最後にお伝えしたいこと。
それは、このTVボードの価格です。
国産の栗の木を使ってすべて総無垢でおつくりしているこのTVボード、掲載サイズで33万円(税込み)、
これは決して高くない。もしかしたら、この材料で、このつくりでこの価格は安いのではないか?と
思い始めた次第です。
このご時世、いつ材料が不足するかわかりません。
先のパンデミックの際は、住宅や家具の材料が不足して、一時的に生産調整が行われたりもしました。
このTVボードは、既に引退された一人のベテランの職人さん(頑固おやじにこの人あり!の職人さんでした)が
何十年もかけて手に入れ、いつか使うために保管してあった、貴重な栗の木でおつくりしています。
その貴重な栗の木を、その職人さんのもとで家具づくりをしていた
若い一人の職人さんが、一台一台丁寧につくりあげているのです。
貴重な材料でつくった世界に1台のTVボード、なんて魅力的なTVボードなんでしょう!
どうぞ、末永く大切にお使いいただければと願ってます。
サイズ変更も可能です。
お気軽に事前に下記までお問合せください。