こんにちは。
つくば店スタッフ服部です。
今回つくばみらい市にお住まいのI様より、ご新築を機に、昔から家にあった桐箪笥を綺麗にして新しいお家に飾りたいというご相談を受け、再生修理を承りましたので皆さんにご紹介したいと思います。
まずはお預かりしたばかりのビフォー写真をどうぞ。
恐らく当時から主流である砥の粉仕上げで作られた桐箪笥だと思われますが、表面の砥の粉もすっかり落ち、全体的に色褪せしまっています。その他小傷やシミ、金具のサビ等も目立ちますし、背板や引出の底板は木がやせて大きな隙間ができていたり、やはり長年使われてきた経年変化が表れている状態でした。
再生修理は年代によって作り方や材質が違ったり、またお客様の保管状況によって状態が様々なので、修復の内容が一件一件異なります。
お預かりした箪笥を見ながら職人と打ち合わせし、どういう方法で修理ができるか、どこまで再生できるか等を、ベストを探りながら進めていきます。
今回は職人に箪笥を預けてから完成まで約4か月かかりました。
時間をかけて職人が作業してくれたおかげで見事に生まれ変わりました!!
如何でしょうか?!とても美しく仕上がりました。
今回は当時と同じ砥の粉仕上げにはせず、経年変化の良さを生かした「時代仕上げ」という技法で
お直ししました。
新品の桐箪笥では決して出せない「味」が良い働きをしてくれています。
お客様からのご要望もあり、金具や部品は出来る限り交換せず残しました。それも大変な仕事で、現存している金具で使えるものは一旦外してサビを落とし、磨き直したり塗り直したりととても丁寧で繊細な作業です。
扉に付いていたフサはさすがに寿命がきていたので新しいものを付け直しました。
下の写真は引き出しのについていた金具です。
側面の金具も美しく生まれ変わりました。
サビついていた金具が、職人の手によってよって輝きを取り戻しました!
さあ、扉を開けて見てみましょう。
表側だけでなく、中も美しく生まれ変わりました。
引き出しの中など、木がやせて隙間が空いてしまった部分は新たに埋め木が施されています。
背面もしっかりとお直しされています。
今回作業をしてくれた職人の名前です。埼玉県春日部市は昔から桐箪笥で有名な土地で、頑固おやじも普段からとてもお世話になっています。
I様、この度はご依頼下さり誠にありがとうございます。
美しく復活した桐箪笥、末永くお使い下さい!
このような再生依頼は、年々増えてきております。
桐箪笥は昔から高級品ですし、日本の職人が手間ひまかけて作った家具はやわではありません。
長い月日を経てもお直ししながら長くお使いいただくことが可能です。
新品には決して出せない味もまた良いものです。
もし皆様のおうちに眠っている桐箪笥がございましたら、ぜひ一度ご相談下さい。